蒸し時間が長いと、茶葉が柔らかくなります。葉が柔らかくなると、端が砕けやすくなります。
砕けた部分は小さく丸まるので、全体的に「粉っぽいお茶」に見えてしまうのです。
「煎茶は、緑色でスッと細長い針のようなお茶が良い」とおっしゃるかたもたくさんいらっしゃいますので、深むし茶の見た目は、その基準には合いません。
しかし、問題は見た目ではありません。
長時間蒸すことで、渋みや苦みが少なくなり、まろやかな甘みと風味が生まれるのです。
また、砕けて小さく丸まった、茶葉の端の部分は、実はお茶のエキスがいっぱい詰まっている部分。
ここが砕けているとエキスが出やすいので、独特の風味とコクが生まれます。
さらに、実際に淹れると、一般的な煎茶よりも濃い緑色のお茶になります。
つまり「深むし製法」は、見た目にこだわらず、味のよさだけを追求した製法です。
富士山のふもとである御殿場は、標高が高く、昼夜の気温差が大きいため、お茶の産地として恵まれた立地です。
このような土地は、特に高級茶や上品なお茶を栽培するのに適しています。
御殿場の上品な茶葉を深むし製法にすれば、見た目がかなり悪くなるのは分かっていました。
しかし、お茶を愛してやまない2代目は、自分で飲むために深むし茶を作っていました。
御殿場の葉を深むしにするなんて、と笑われたこともありましたが、「絶対においしい」と信じて作り、自分で飲んでいたのです。
やがて「そのお茶を分けてほしい」という人があらわれ、次第に深むし茶を求めるお客さまが増えました。
御殿場の深むし茶は、小野園から始まったのです。
茶葉の栽培は、自社農園のほか、厳選した契約農園で行なっています。
徹底的な品質管理のもとで栽培された茶葉は、常に一定の品質を保ち、安心・安全な商品を提供することができます。
また、製造は自社工場で行なっています。
御殿場の工場で、丹念にじっくりと蒸しています。
茶葉の検品や製品の検査も随時実施しています。
茶畑でお茶を育てるところから、工場で製造してお客さまのお手元に届くまで、徹底して小野園が品質管理をしております。
小野園の深むし茶へのこだわりは会社概要のページでも、ご確認いただけます。
なんと言っても特徴はコクと甘みです。
口に含んだときはもちろん、のどに残る甘みがほかのお茶とは違います。
また、お茶のエキスが詰まっていますので、二煎、三煎まで美味しく召し上がれます。
深むし製法で作った煎茶、「麗峰」「高地煎茶」「天然玉露」を、ぜひ一度お試しください。
また、大切なかたへのギフトには、こだわりの深むし茶詰め合わせをどうぞ。