日本茶の茶缶(茶筒)は円筒形ですね。
一方、紅茶は四角い缶に入っています。
なぜでしょう?
茶葉は、水分量6%前後の乾物ですので、湿度・温度・光・酸素・においに弱いものです。
寒いところから急に暖かいところに出して結露してしまったり、保管容器に湿気が入ってしまったりすると、水分量が増えて、味・色・香りが損なわれます。
また、光が当たると、きれいな色やうまみのもとである葉緑素が分解されてしまいます。
このような理由から、茶葉の保管には、密閉性と遮光性にすぐれているものが使われます。
四角い容器だと四隅に茶葉が固まって、内容物の流動性が低くなることがありますが、円筒形なら常にすべての茶葉がサラサラと動くので、湿気や空気が溜まる場所がありません。
また、光が当たらないよう、古くは木製、今はスチール製が広く使われています。
茶缶の形態は、古くから受け継がれた先人の知恵なのですね。
一方、紅茶は四角い缶に丸いフタがしてあります。
これは輸送のためだそうです。
インドやジャワなど、東洋の名産地からイギリスなどヨーロッパまで運ぶ際、効率よく船に積むために四角い容器が使われたのが始めです。
さらにフタを丸くすることで、衝撃や圧力に強くなるとか。
四角い缶に丸いフタだと、開けた際に空気に触れる面積も少なくなりますね。
小野園では、100g用・200g用の茶缶をご用意しています。
もちろん遮光性と密閉性にすぐれたスチール製で、色は、お茶の色を思わせる「緑」が一番人気です。
冠雪の富士山頂がくっきり浮かび上がる「青」、雪に覆われた真冬の富士山が幻想的な「白」もおすすめです。
お気に入りの茶葉を購入したら、茶缶を使用し、高温多湿を避け、食器棚など冷暗所に保管して、お茶のおいしさをぜひ長く味わってくださいね。
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■小野園コラム ちょっと一服話「お茶の保存方法」