お茶+みかん=抗肥満作用
2021年10月、九州大学と北海道情報大学は、柑橘由来ポリフェノールが緑茶の抗肥満作用を増強するという研究成果を発表しました(※1)。両大とトヨタ自動車の共同研究チームによる研究です。
この研究では、かんきつ類のポリフェノールが、緑茶の持つ抗肥満作用を向上させるという結果が出たそうです。
実験には30歳から75歳の健康な男女30名が参加しました。30名は麦茶を飲むグループと、かんきつ由来成分を混ぜた緑茶を飲むグループに分かれましたが、自分が何を飲んでいるのかは知らされていません。
12週間続けた結果、かんきつ由来成分を混ぜた緑茶を飲んだグループは、体重とBMIの増加が抑制されたとのことです。
茶カテキンに肥満予防の効果が期待できることは以前から知られていましたが、有意に効果を得るためには、かなり大量のお茶を飲む必要がありました。過ぎたるは及ばざるがごとし。利尿作用による脱水や、カフェインの摂りすぎが心配になります。
しかし、かんきつ類のポリフェノールを同時に摂取することで、緑茶の効果が向上するというのです。
こたつの上に並ぶ、みかんが山盛りになったカゴと、急須と湯のみ。寒さの中にもほっこりとぬくもりを感じる冬のイメージですね。
お茶とみかんと言えば、静岡の二大名産品でもあります。
静岡県のみかんの生産量は、和歌山県・愛媛県に続き第3位(※2)。お茶はもちろん日本一です(※3)。
そして・・・気になる静岡県の肥満度は、47都道府県中43位です!(※4、20~69歳男性)
【注意】この研究結果は、体重とBMIの「増加が抑制される」という有意な結果が出たということであり、お茶とみかんで「やせる」というわけではありません。肥満対策には、規則正しい生活・バランスの取れた食事・適度な運動が大切です
※1 九州大学「緑茶の抗肥満作用を柑橘由来成分が増強」
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/669/
※2 農林水産省「令和4年産みかんの結果樹面積、収穫量及び出荷量」
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kekka_gaiyou/sakumotu/sakkyou_kajyu/mikan/r4/
※3 静岡県「茶の栽培面積、荒茶(生産量、産出額)日本一」
https://www.pref.shizuoka.jp/kensei/information/myshizuoka/1002256/1040939/1011293.html
※4 厚生労働省「都道府県別の肥満及び主な生活習慣の状況」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000020qbb-att/2r98520000021c39.pdf