小野園がある静岡県には、「東海道五十三次」の「ど真ん中」、袋井宿(ふくろいじゅく)があります。
江戸時代には、江戸・日本橋から京都・三条大橋までの間に53の宿場がありました。
そのどちらから数えても27番目の宿場が、袋井宿なのです(注1)。
歌川広重作「東海道五十三次」は、53の宿場と江戸日本橋・京三条大橋の2地点を加えた55枚の連作木版画。
現在の静岡県を描いたものは三島から白須賀まで21枚あり、そのうちの「袋井 出茶屋ノ図(でぢゃやのず)」では、大木を利用して営業している出茶屋の様子が描かれています。
「出茶屋」とは、家のような建物を構えず、出店として営業している茶屋のことです。
右半分は大きくスペースをとって遠くまで広がる田園風景と、先へと続く道が奥行きたっぷりに描かれ、人物は画面左側に集中しています(注2)。
大きな木の太い枝からやかんを吊るし、石で組んだかまどの火を大きくしようとしている茶屋の店主。
いままさに息を吹き込んだところなのか、やかんからは湯気ががもうもうと上がっています。
かまどの反対側には、ちょっと火を借りようと、やかんの下にきせるを差し込んでいる籠かき。
よしずの下には、湯飲みをかたわらに置いてお茶がわくのを待っている旅人。この人は飛脚でしょうか。
顔がはっきり見えるのはこの3人ですが、3人とも少しほほえんでいるような、柔らかい表情が印象的です。
どこまでも広がる青空の下、疲れた足を休めて淹れたてのお茶を待つとき、また、遠方からの旅人を迎え入れてお茶をわかすとき、人はみなこのような表情になるのかもしれませんね。
静岡のお茶は味も香りも豊か。小野園の深蒸し茶で、フワッと温かいひとときを。
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注1)東海道袋井宿/ハローナビしずおか 静岡県観光情報
注2)東海道五拾三次 文化遺産オンライン