お茶は紀元前2700年ごろから中国で飲まれていたとされています。
中国の神話によると、天地創造の3人の神様のうちの1人、「神農」が木陰でお湯を沸かしていると3枚の葉がひらひらと釜に落ちてきて、沸かしたお湯からはとてもよい香りがした・・・ということです。落ちてきたのはお茶の木の葉で、これが喫茶の始まりとされています。
お茶の葉は、薬や食べ物として活用されていました。ですので、最初期のお茶は、現代のハーブティーのように葉を直接お湯に入れて煮出したと考えられています。
神農のエピソードは神話ですが、それでも、「たきぎとして取ってきた小枝を囲炉裏にくべたらよい匂いがした」とか、「食べられる葉なのでゆでてみたら、味も香りも良いゆで汁ができた」とか、実際にそういうことがあった可能性は十分にありますね。
漢から唐の時代にかけて、お茶は飲み物として人々の間に広まります。
自然に生えている茶の木から葉を摘む時代がいつ終わり、人為的に茶木を栽培するようになった時代がいつ始まったのかは明らかではありませんが、東晋時代の紀元後350年ごろには栽培されていたようです。
その後、宋の時代には日本の臨済宗の開祖、栄西(えいざい)が学僧として渡り、たくさんの経典とともにお茶を持ち帰り、本格的に日本でも普及し始めたのでした。ただ、庶民が日常的に飲めるようになるのはもっとあと、江戸時代になってからです。
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