冬の間、寒さに耐えたお茶の木。春になると一斉に、うまみをたくわえた新芽が吹き出します。
八十八夜(立春の日から数えて88日目)のころに摘まれる新茶(一番茶)に始まり、晩秋の四番茶まで、お茶は通常、年間4回収穫されます。
先ごろ公表された農林水産省「茶をめぐる情勢」(※)によると、ここ数年、我が国のお茶の生産量は、年間8万トン前後で推移しています。
2019年:8万2000トン
2020年:7万トン
2021年:7万8000トン
2022年:7万7000トン
2020年は、コロナ禍のためオフィス等での消費が減るという見込みのもと、計画的減産がありましたが、2021年以降は回復しています。
一番茶から四番茶まで、8万トンの内訳を見てみましょう。
(10トン以下四捨五入)
●一番茶
2019年:2万9400トン
2020年:2万7300トン
2021年:2万6800トン
●二番茶
2019年:2万800トン
2020年:1万7300トン
2021年:2万500トン
●三番茶
2019年:5900トン
2020年:3700トン
2021年:6100トン
●四番茶
2019年:2万2900トン
2020年:1万9700トン
2021年:2万2100トン
2019年と2021年を比べてみると、二番茶と四番茶はV字回復、三番茶は増加に転じています。
これは、ペットボトル等の茶飲料用の茶葉の需要が高まったためです。茶飲料には、コストのかからない茶葉が使われます。
気になるのが、一番茶(新茶)の生産量です。減少傾向にあります。
新茶は摘む時期を見極め、良い茶葉を厳選して生産するため、ある程度、価格が高くなるのは仕方のないことです。しかし、新茶はその価格にじゅうぶん見合った味わいが楽しめます。
昔から新茶は「無病息災、長寿めでたし」と言われ、新茶を飲むことは縁起の良いこととされてきました。
多くの人に新茶のおいしさを知っていただき、需要が高まることを願います。
今年も小野園ではおいしい新茶ができました。
今年初の爽やかな風味をぜひご賞味ください。
【小野園の新茶】
https://onoen.jp/newtea
【新茶は「高い」!? – 小野園コラム】
https://onoen.jp/column/column_39.html
【新茶で長生きって本当? – 小野園コラム】
https://onoen.jp/column/column_13.html